『 ありがとう 』
キタナイ
キタナイ
キタナイ・・・
私は、いろんな人をコロシタ・・・
キタナイ
キタナイ
キタナイ・・・
私は、愛する者を裏切った
キタナイ
キタナイ
キタナイ・・・
私は・・・
キタナイ
今日も、主人―――ヴォルデモート卿と仕事
「奥様・・・お時間です」
ルシウスの声がする
「今、行くわ・・・」
「
・・・私の愛しき人、こちらへ」
私は、何も言わずにヴォルデモート卿の方へ行った
ふわりと抱きしめられる
ズキリ・・・
胸が痛む
私は、アナタを愛してなんかいないのに・・・
アナタは、本気で愛してくれるのね
今日の仕事場、それは・・・
「ジェームズ・・・リリー・・・」
学生時代、親友だった2人の家だった
足が動かない
「
?」
ヴォルデモート卿が訝しげな顔をした
「ごめんなさい・・・ちょっと気分が悪いの」
「そうか・・・では、私は行ってくる」
ゴメンナサイ・・・
私ハ、止メル事が出来ナカッタ
キタナイ
キタナイ
キタナイ・・・
自分が死ぬのが怖くて、あの人を止められなかった
やはり、あの2人は、死んだらしい・・・
そして、あの人も一緒に
私は、今
2人のお墓の前にいた
ゴメンナサイ
私は、アナタ達を見殺しにしてしまった
ゴメンナサイ
ガサッ
後ろから、音がした
「誰?」
2人の亡霊?
それとも、あの人?
その予想は、どちらも外れていた
「シ・・・リウス・・・?」
そう
そこにいたのは、かつて愛し合っていた人・・・シリウスだった
「
・・・逢いたかった」
その言葉が私の胸を締め付けた
私は、みんなを裏切ったのだ
合わせる顔がない・・・
私は、その場から去ろうとした
しかし
「待てよ!」
手を掴まれた
「離して・・・」
私は、キタナイ
「んで・・・だよ?・・・なんで、逃げんだよ!!」
私は、キタナイ
「いいから、離して!」
私は、キタナイ
「嫌だ!絶対ぇ離さねぇ!!」
強い力で抱きしめられた
「触っちゃダメ!!私は、キタナイんだよ?!私は、ジェームズ達を見殺しにしたの・・・・殺されるのが怖くて!!自分の命の為に親友を売ったのよ!!」
そう・・・
私は、キタナイんだ
きっと、シリウスは、私を拒絶する
それでいいんだ
これが、私の末路なんだから・・・
「ざけんな・・・」
えっ?
「ざけんじゃねぇよ!!なに1人で抱え込んでんだよ・・・なんで、オレに一言も言ってくれなかったんだよ?」
「だって・・・」
「オレが信じられなかったのか?」
「違っ!!」
違う・・・それは、シリウスを巻き込まない為・・・
本当に愛してる人を・・・
「たしかに、ジェームズ達を見殺しにしたのは、許されるもんじゃねぇ・・・でも、それをいつまでも引きずってんじゃねぇよ
ジェームズ達に報いたかったら・・・ジェームズ達の分も幸せに生きろ」
本当に、それでジェームズ達に報えるなら・・・
私は、精一杯生きよう
死んでも、きっと報えないのだから・・・
だから、生きて・・・生きて・・・生きて生きて生きて生きて生きて・・・
地を這いずってでも、生きて・・・
それに、気付かせてくれたのは、シリウスだ
「シリウス・・・ありがとう」
END
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