私の夢は・・。



DREAM



「・・ねぇ。突然だけどさ、雅治の夢って何?」
は言った。
それを受けて、雅治は驚いたように目を瞠る。
「はぁ?何じゃ、藪から棒に。」
「これ。書かなきゃいけないんだけど・・・」
が見せたのは原稿用紙だった。そこには一行だけ、「私の夢」と書かれていた。
「国語で作文やってるじゃん?ウチのクラスのテーマ、「私の夢」なんだよねぇ。・・そういえば、雅治のクラスは?」
「ウチは・・確か、「家族とは」だったよーな・・」
「・・・何でそんな曖昧なの。」
「興味なか。俺が興味あるんはだけじゃき♪」
「はいはいど―――――もありがとうねー。」
「つめたっ」
期待通りのその反応にちょっと笑ってから、は続ける。
「で、雅治はもう書いた?」
「当然。てか、とっくに提出期限過ぎとるし。」
「そうなのよ〜!期限過ぎちゃったの!!・・ってかね、聞いてよ!「まだ書けてません、ごめんなさい」って正直に言ったらねっ、あのハゲ「そうかそうか、じゃあ明日までに書いて出しなさい」って言ったのよ!?ひどくない!?」
「・・そうか?もとはと言えば提出期限破るお前さんが悪いんじゃろ?」
「〜〜〜ひどい!!雅治まであのハゲの味方するのね!!」
「いや、そういうわけじゃなか。だけど、常識的に考えて・・」
「ひどいひどいひどい〜!!私が国語2なの知っててぇぇっ!!」
「そういえばそうじゃったのう。・・ところで、国語で2ってどうやって取るんじゃ?」
「〜〜〜ひどすぎるっ!!!!」
「はは、すまんすまん。しょーがない、教えちゃる。」
「・・ホント!?やったっ!!雅治大好き!!」
・・・さっきと言っとること全然違うぜよ。俺のお姫様。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「あ〜もうっ・・・作文なんかきれいごと並べ立ててそれで終わりじゃ、それが何で出来ん?」
「そんなんで作文書けるのは日常的にきれいごとばかり並べ立ててる詐欺師だけよーっ!!」
「おーその通りじゃ。俺は詐欺師ぜよ。」
「もういっそ雅治が書いて!」
「ダメ。」
「じゃあ雅治の夢言って!!!」
「何でそこで俺?」
「それを私の夢にする!」
「・・・・・。」
「雅治?」
「・・言ったな。今の言葉、忘れるんじゃなかよ。」
「へ?」
仁王はにやりと笑みを浮かべた。
「雅治・・・????」
。」
肩を抱き寄せられる。
「え??」
顎を持ち上げられて。
キス。
「!!!〜〜〜〜っっ・・!?」
「・・・っと。まずは一つ。ご馳走様。」
「・・ぷはっ!・・・なっ、ななっ・・なっ・・・??」
みるみる真っ赤になっていくに、仁王は悪戯じみた微笑を浮かべた。
「何を今さら。いつもしとるじゃろ。」
「いいい、いつもって・・っ!」
「じゃ、もう一回。」
「待っ・・ん!!」
反抗する前に唇をふさがれる。
「ん・・んんっ、ふぁ・・・」
たっぷり5秒味わわれて、軽く酸欠。
「・・っ、もうやめ・・・・!」
やめてと言い切る前に、また唇をふさがれた。
角度を変えて何回も。
「っあ・・・ふぅっ・・」
「・・作文の題材、決まった・・・・?」
「ふぇ・・・んぅ、はぁ・・っ」
「まだみたいじゃの・・それじゃ、もうちょっと・・・」
「んんっ!!」
「・・決まるまで、ずっとこうしてる?」
囁かれる。
ずるい。
正気でも思いつかないのに、こんな状態で考えられるわけないじゃない。
繰り返される甘いキスに、頭の芯まで溶かされてしまいそう。
・・でも、その感覚が予想以上に心地良かったから、そのまま瞼を閉じた。
・・・・・あ、そっか。
これにしよう。


翌日、立海大附属中職員室。
「先生。」
は一人の教師の前に立った。
「ん?ああ、お前か。どうだ?作文、書いてきたか?」
「はい。」
頷いて、原稿用紙を差し出す。
「よし。よく頑張ったな、もう戻っていいぞ。」
「失礼します。」
一礼し、ピシャンと扉を閉めた。
「・・出した?」
「出したよ・・・うあー、絶対書き直しだぁ・・」
「何でそう決め付けるんじゃ。アレも立派な夢じゃけぇ、平気じゃよ。」
「・・・・・はずかしい・・・」
はそっと、今提出してきたばかりの作文の概容を思い出した。


『 私の夢は、真っ白なウェディングドレスを着て、雅治の隣に立つことです。
絶対絶対、十年以内に結婚します。
子どもは、男の子5人と女の子5人と双子を1組生みます。
雅治とずっと、ずっとずっと一緒にいたいです。』


・・・小学生かよと突っ込みを入れたくなるほど、幼稚な内容。
だけどこれが、私の真実の夢。


が俺との結婚について綴りだしたことには正直ビビった。
もちろん、多少は狙っとったんじゃけど・・。
それを書くの表情は真剣じゃったから、自分で書き始めてくれたから、すごく嬉しかった。
そうじゃよ、お前は俺のお嫁さんになるんじゃ。
十年以内と言わず、五年以内にな。


−END−





あとがき(という名の懺悔)

ぬお〜・・・なんだこのヘッポコ夢はぁぁっ!!
急いで仕上げたんだよぉ、ごめんよぉ〜!
仁王語やっぱりわからないよ・・うう、しばらく仁王へのチャレンジは諦めよう。うん。

・・と、反省はこれくらいにして。
これは相互リンク記念夢!!出来たらもらってやって!!あっ、返品はいつでも受け付けるよ!!
奈穂ちゃんトコのサイト名が「夢への扉」ってことで、これが「DREAM」、もうひとつが「DOOR」になってます。だけど関連性はゼロです。ごめんね。
ともかくも、これからもお互い頑張ろうね!!(受験だけど。)

*この「DREAM」は、紫想奈穂様への捧げ物です。よって、持ち帰れるのは紫想奈穂様のみとさせて頂きます。

桜 紗魚

コメント

ぐふっ!!なに?!この素敵な文!!
やだぁーw紗魚ちゃんエロいw(笑)
もう、私の想像妄想を超える勢いでキタよ!!
さすがですね!どうも、ありがとうございました!

作者:桜 紗魚様「桜色ファンタジスタ

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