「 綺麗な旋律 」







































―――これは、なんの音だ?


―――ピアノ・・・?


フィルチから逃げている途中に、ジェームズ達と逸れてしまった。


ここは、どこの廊下だっけ?・・・なんて辺りを見渡していたら微かに音がした。


切なげに響くピアノの旋律が。


衝動的に、音のする方へ足を進める。


右に曲がって、左に行って・・・。どこだ?どこの部屋だ?


確実に大きくなっていく音。


「・・・ここだ。」


ゴクリ。なにを緊張しているのかわからないが、心臓がバクバク言ってる。


ゆっくりとドアノブに手を掛け、押す。


そして、中には・・・


「・・・っ///」


綺麗なんて、ものではない。


神の領域というか・・・聖域のような・・・。


とにかく、言葉では、言い表せない程綺麗な少女。


長い黒髪に、雪のように白い肌。ほんのり赤い頬。


カタンッ


ヤバイ!見とれすぎて、机を蹴っちまった!!


「・・・誰?」


「いやぁ・・・その・・・。」


別に疾しい事をしたわけではないが、後ろめたい気持ちがあるのは、確かだ。


「シリウス・ブラックさん・・・?」


「なんで、名前?!」


その子は、くすりと笑って


「あなた達、有名だから」


静かに笑う、その子が・・・。


唯々、綺麗で・・・。


これって・・・一目惚れ?


柄にもなく、心臓が口から出ちまうかってぐらいバクバクしてる。


にこりと、笑いまたピアノを弾く。


さっきと同じ曲。


俺は、クラシックなんて性に合わないから、全然知んないけど・・・。


素直に、綺麗だと思う。


そして、その少女も・・・。


窓から差し込む、光がキラキラと煌き、その幻想的な雰囲気の中でピアノの音だけが響く。


なんだっけ?・・・聞いたことがある。


「ショパン、ノクターン第2番変ホ長調。」


ピアノの音とその子の澄んだ声。


「へっ?」


「この曲の題名。」


まるで、俺の心を見透かしているような口振り。


「Andante(アンダンテ)・・・散歩をするような速さで・・・」


歌うように出てくる言葉。


「素敵な曲でしょ?」


「・・・ああ」


曲は、クライマックスへと向かう。


まるで、なにかの終わりを伝えるように・・・。


なにかが、ハラハラと零れ落ちるように。


「きっと、あなたは、どんなに辛い立場にあっても頑張れるわ」


「えっ?」


曲が終わった。


「私の名前・・・っていうのよ」


そして・・・。スッと・・・。


「消えた?!」


そう、スッと・・・名前を残し・・・微笑みながら・・・。




















「シリウス!!」


夏休み。息子同然のハリーと友達達が我が家へ遊びに来た。


「シリウス!また新しい仲間が出来たんだ!!」


「おっ?誰だ?」


「この子だよ!!」


そして、目の前に現れたのは・・・。


あの時の・・・少女だった。


です。お久しぶり・・・。シリウス・ブラックさん?」


「あの・・・時の?!」


「ええ」




そして、綺麗な旋律がまた流れ出す。




















fin


























あとがき


全て謎で終わる。(ヲイ)


彼女は、時空を行き来することができるのです!たぶん。


ていうか、名前変換少なっ!!!!!


どっ・・・ドリームになってねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!


MIDI提供→ちろるの山奥様




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