あなたは確信犯。
何をすれば、何を言えばあたしの顔が赤くなるか、
全部分かってるんだから。
<確信犯>
「ねぇ、あたしのこと愛してる?」
少し顔を下げて上目遣いで問いかける。
ちょっとしたからかいで聞いてみただけだけど。
彼がどんな態度を取るのか気になったんだ。
嗚呼あたしってつくづく可愛くない女。
「どしたん?いきなり」
「んー別に意味はないけど。あたしのことどう思ってんのかなーって」
本当は分かってるよ。
だって好きじゃなかったらこうして付き合ってるわけないもん。
それでも時々あなたの反応を確かめたくなるんだ。
本当にあたしは可愛くない女ね。
「で?どうなの?」
もう一度問いかける。
早く彼からの答えを聞きたくて、あたしの胸は高鳴っていた。
「んー愛しとるけどー、違うかなぁ」
「・・・え?」
なにそれ。
愛してるのに違う?
それはどういうこと?
「よく、分からない」
あたしなりにショックだった。
今もこうして声が震えてしまってるし。
ただ少しからかうだけだったのに。
「あたしへの気持ちは、愛じゃないってこと?」
視界が歪んだ。
今まで向けていた視線も、思わず逸らしてしまう。
どういうことなの、あたしには分からないよ。
「や、そうじゃのぅてー」
「・・・じゃぁ、何?」
「愛を通り越しとるんよね」
ぱちりと思わず目を見開いた。
涙なんてとっくに乾いてしまった。
「なんつーの?愛以上っちゅーか」
「愛、以上?」
「愛してるなんて言葉、何回言っても足りんくらい、愛しとるんよ」
ふふっと微笑みながら、あなたはあたしを腕に納めた。
嗚呼、今度は嬉し涙が止まらない。
顔が熱いからきっと赤くなってるんだろうなぁ。
「のぅ、その真っ赤な顔は、わしのせい?」
にっこりと、いかにも分かってるような顔で問いかけるあなた。
こういうところが、確信犯。
でもその確信犯に捕らわれてしまっているあたしも、どうかしてるんだけど。
Fin
うきゃぁぁぁぁぁぁぁっ///
素敵すぎです!嗚呼、私もこんな素敵な文章が書けるようになりたいですねぇ・・・
※
CRAZY FOR YOU
の蒼井ソラ様のフリー夢です。
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