辛い時は私が抱き締めてあげるから。だから私が辛い時は・・・。
 




































 
「 ぎゅって抱き締めて、そしたら。 」
 




































 
今日も今日とて悲しき物の怪を斬る。


そんな時、私はいつもその光景を・・・美しくも悲しきその光景を見つめるだけ。


私は何も出来ないのかな?


私は役立たず?


いつも過去を読み取るだけで何も役に立ってない。


そんな私をいつも薬売りさんは笑顔で受け入れてくれて。


本当は重荷なんじゃないの?


本当は邪魔なんじゃないの?


本当は本当は本当は・・・。










「っ!」


ふいに眉間に薬売りさんの指が当てられている事に気付いた。


・・・眉間に 皺が 寄ってるぞ。」


「えっ、あ・・・いや。」


「そんな顔じゃあ 嫁の貰い手が・・・無くなる。」


「なっ!」


一言多い薬売りに一発蹴りを入れて、ふんっ!とそっぽを向く。


ここは、宿屋の一室。


そんな広い部屋ではないので、すぐ至近距離に薬売りさんがいる。


「何を・・・考えて いた?」


その一言にびくりと体が正直に反応した。


「べ、別に?」


何と無くその場に居づらくなって立ち上がろうとした・・・。筈なんだけど。


何故か私は、薬売りさんに抱き締められてた。


「ちょっと!何するの?・・・放してよ。」


どうして貴方は優しいの?


「放したら・・・何処かへ 逃げてしまう だろ?」


どうして貴方は何でも分かってしまうの?


「そんなこと、ない、よ。」


どうして貴方は・・・。


「では・・・何故 泣く?」


その一言に自身が泣いていた事に気が付いた。


「えっ、うそ。なんでかな・・・急にっ。」


更に強い力でぎゅっと抱き締められる。


「もう・・・やだ。止まんないよ。」


ぽろぽろと涙が次から次から落ちていき、薬売りさんの着物を濡らしていく。


は・・・俺の傍にいるだけで いいんだ。」


「何で・・・いつもいつも私の考えてる事・・・わかっちゃうのかな?」


しばらくの間、お互いの体温を感じあって。


少し元気が出たの。










「ねぇ、次に薬売りさんが辛い事があったら私が抱き締めてあげる。」


いつもじゃ、絶対しないけど。


今日は特別。


ちゅっと素早く薬売りさんの頬に接吻をしてそそくさと部屋からでる。


そっと襖から顔を出して薬売りさんを見ると・・・。


面食らった顔をして頬を押さえる薬売りさんの姿があった。


そんな薬売りさんにくすりと笑って、町へと散歩に行くことにした。


よし、お団子でも買っていってあげよう。


今日のお礼。今日ぐらいは・・・素直にね。









 































 
  
 










































たっだいまー。って、うわ!

さっき・・・慰めてくれる と 言ったな?

は?

それじゃあ・・・体で 慰めて もらおうか。

ふざけんなぁーーー!!!!!!




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